2025/03
2025・03・27記
「禁断と恍惚と」
数か月前に、駅のベンチで痙攣している人を二週続けて見た、と書いたのだけれど、これは、その続きです。
痙攣のほうは、駅のホームのベンチが舞台だったのですが、今度は、その同じ駅の地上の出口の脇です。
例によって、その駅の近くのChineseのスーパーと弁当屋での買い物を済ませて、駅の出口の前の歩道に出ている、
HalalFoodの屋台でGyroを買って帰る時のことです。
最近の物価高、特に外食の値段が高騰しているせいで、今、NYでは、道端の屋台の持ち帰りの店が、少し安い、ということで、激増しています。
で、屋台なので、そこそこ人通りのある、駅の近くの歩道です。
さて、屋台に近寄ってみると、その前に3人ほど、ホームレスっぽい、薄汚れた人が、歩道に寝転んでいます。天気の良い、昼の12時ころです。
40台から50台なのかな、薄汚れているので、実際はもう少し若いのかな。中の一人は女性かもしれないけれど、薄汚れているので、
判然とはしません。歩道に寝転がっているだけでも、十分おかしいし、動きも緩慢で、でも、病気でもなさそう。
どうも、この3人は麻薬で恍惚となっている真っ最中らしいのです。寝転んでいる一人が、その隣に寝転んでいる人
(この人は女性なのかもしれない)の上着をめくって、下腹部をまさぐっていたりしています。
おまけに、たまたま屋台の真ん前には車いすに乗った、200KGは軽くありそうなおっさんが、注文が出来上がるのを待っています。
こちらは、薄汚れてはいないけれど、巨大な人です。
そこを通り過ぎるのには、寝転んでいる人のすぐ脇を、寝転がっている人たちを踏まないように歩かなくては、いけません。
この街は、あまり上品な街ではないのですが、通りがかりの人は、さすがに、眉をひそめています。
たまに聞こえる声も「TooMuch!」というくらいで、皆、唖然としています。やはりどう考えても、麻薬で恍惚となっているとしか思えません。
小説とか、映画での「麻薬で恍惚」というのは、若い人のシーンが殆どなのだけれど、現実は、薄汚れた中高年の「麻薬で恍惚」が多いのかもしれない。
とにかく、数か月前には、この同じ駅で、「禁断症状」。この日は「恍惚状態」。どちらも真昼間。この駅のあたりは、麻薬が手に入れやすい場所なのかな。
まあ、とにかく、俺はその巨大な人の次に、その屋台で、Gyroを作ってもらって帰ってきました。